記憶のカケラ

ある日、ボクは失業した。

逃げるように会社を去った。

・‥…━━━・‥…━━━・‥…━━━

・。

・・。

・・・。

30歳を過ぎての中途採用者に対して、工場の作業員は、誰もが、冷たかった…。

過酷な重労働に加えて、人間関係の複雑さに、ボクは悩まされた。

毎日、ボクより年下のセンパイ作業員に、イジメられた。

最初の1ヵ月は、何とか仕事を覚えようと思う一心で乗り切ったが

3ヶ月たって、ようやく仕事を覚えてきたボクに、奴はさらに冷たい態度を

とるようになった。

4ヶ月後には、奴との会話もなくなった・・・・・。

しかし、いくら年下のセンパイ作業員でも、ボクにはまだ仕事で分からないことが

たくさんあったので、奴の顔色をうかがいながら、会話をしなくてはならない。

それがすごく、イヤだった。

物凄く、イヤだった!

死ぬほど、イヤだった!!

ボクはもう、会社を辞める事しか、頭になかった。

そうだ。

辞める前に、一発ズル休みをかましてやろう!

そう思った。

次の日、AM 8:02 分に、ボクの上司である「シモンズ」係長に電話した。

ボクが熱を出して、体調が悪い事を告げると、シモンズはあっさりと受諾した。

会話時間は、わずか52秒だった。

もちろんボクは、発熱などしていないし、体調が悪いなんてこともない。

ズル休み大作戦は、アッサリと成功した。

イヤな会社だったけど、シモンズ係長は割とイイ奴だった。

もちろんボクより年上だし、ボクが仕事でミスした時も、かばってくれた。

そして、ミスの対処方法など細かく指導してくれた。

年下センパイ君は、ボクが何かミスしても、見て見ぬフリ状態でさらに

ボクの悪口を、他のパート作業員に言いフラす、根性のひん曲がった奴だった。

シモンズ係長は、割とイイ奴だったけど、ブサイクヤローだった。

口もクサかった!・・・。

それから、ボクの味方をしてくれるがいた。

娘は、ボクと同じ職場チームではなかったが、ボクに会社のこと、仕事のこと

人間関係のこと、色々話してくれた。

ボクも、娘に色々な話をした。ボクのウソ話を、娘はニコニコしながら聞いてくれた。

ボクは何だか、うれしかった。

しかし!

仕事中に会話をしているところを、センパイ君に見つかった!!。

そして、普通にマニュアル通りに怒った!!!。

それ以来、娘と、会話をすることはなかった・・・・・。

娘は、性格のとても良い子だったけど、

ブサイクだった・・・。

しかも、東南アジア系だった・・・・・・・・・・・・。

そして、調子に乗ってボクは、次の日も休むことにした。

AM 8:02 Just に、シモンズ係長に電話した。

シモンズは、多少戸惑ったように感じたが、快く受諾してくれた。

もちろん、ズル休みだが!!

辞める気マンマンのボクは、その日のうちに、ハローワークに行った。

情報だけ仕入れてきて、ボクは次の日のことを考えていた。

・‥…━━━・‥…━━━・‥…━━━

・。

・・。

・・・。

次の日、会社に行くとシモンズ係長は、ボクの体調のことを気遣ってくれた。

予想通りだった。

そして、センパイ君は、完全にボクを無視していた。

予想通りだった。

5ヵ月近くこの会社で働いていると、誰が親切で、誰がイジワルかはっきりと分かる。

他にも、ボクの体調を気遣ってくれたパート作業員の人がいたけど、

奴らは偽善者だ。間違いない。所詮パートだ!。

けど、ただ一人例外があった。ブサイクなあの娘だ・・・・。

ボク達は、あの日以来会話はないけど、

フォークリフト駐車場の片隅から、ボクを見ていたよね・・・・・。

娘の、ボクを見るまなざしが、何だか、とても、切なく感じた・・・・・・・・・・・。

ボクはその時、もう、この場所に、いるべきではないのかもしれないと感じた・・。

.。.:**:.。..。.:**:.。..。.:**:.。..。.:**:.。.

・。

・・。

・・・。

それからボクは、1週間後のある日、突然早退した!!。

もちろん、シモンズ係長には事前に届け出ていたが、センパイ君や、

同じチームの人達には何も言わずに、黙って帰った。

ボクは、彼らの反応が楽しみだった。

この頃になると、ボクはもう次の仕事先を考えながら、何月何日にこの会社を、

退職しようかという事で、頭がいっぱいいっぱいだった。

次の日会社に行くと、予想通りセンパイ君は無視だったが、

同じチームの年上センパイ「トレンディー」がイカりまくった。

トレンディーは、規律や団体行動を重んじる、体育会系のイヤなヤローだった。

しかもロン毛で、ガタイが良くて、長身だった。

トレンディーは、ボクのような単独行動派の、アウトローな人間が気に食わないらしい。

トレンディーはとてもイバっていて、自分より格上の人達にはペコペコするが、

格下の奴には容赦しない。極悪非道な奴だった。

毎日デカい声で、ボクを怒鳴りつけやがった!!!。

こうなることは、ある程度予想はしていたが、

耐え難いほどの、精神的苦痛を受けた。

この瞬間、辞職する日が、決まった・・・・・・・・・・・・・・・・・・!。

・‥…━━━・‥…━━━・‥…━━━

・。

・・。

・・・。

次の日、会社に行ってチームミーティングが終わった後に、

この会社を辞めることを、トレンディーに告げた。

トレンディーは少しびっくりしたようだったが、急に黙り込んだ。

それからすぐに、シモンズ係長にボクの退職の意思を告げた。

シモンズ係長には、仕事のこと、人間関係のこと、センパイ君やトレンディーの

ことを、すべて話した。

シモンズ係長は、ボクの話を重く受け止めてくれたようで、このことを

「ヒース」課長に話すように、と、言ってくれた。

そしてすぐに、シモンズはヒース課長に話をしに行った。

どうやらシモンズ係長は、ボクの態度に気付いていたらしい。

一時間後、ボクは事務所の会議室に呼び出された。

そこにはヒース課長がいた。

ボクはすべてのことは言わずに、退職する旨を、ヒース課長に伝えた。

退職理由を何度も聞かれたが、ボクは曖昧に転職を理由に、ということ

仕事的に向いていないこと、を話し続けた。

人間関係や、センパイ君、トレンディーのことは言わなかった。

いや、言いたくなかった!。

多分、このことはヒース課長は知っていると思ったけど、

絶対に、言いたくなかった!!。

ヒース課長は、職場異動の話をしたけど、ボクは断った。

もうボクは、色々な人の、色々な事、特に、イヤなことが頭にあったし、何よりも、

もう、この場所に、いたく、なかったんだ・・・・・・・・・・・・・!!。

゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

・。

・・。

・・・。

結局、その日は話がまとまらなかったので、次の日にシモンズ係長も交えて

話をすることになった。

その日の昼休み。

休憩室で一人でタバコをふかしていると、突然隣の椅子にセンパイ君が座った!。

そしてボクに、「会社辞めるん?」と聞いてきたので、ボクは「近い内に辞めます」

と言うと、「せっかく仕事覚えたんに、残念やのー、オイ!」と言った。

そして、奴は去って行った。

・・・?!ボクは動揺した。。!?。。

1ヵ月くらい会話がなくて、いきなり話しかけられたこともあるけど、

とりあえずセンパイ君は、いつもボクに敬語で接して来てくれたからだ。

ボクは、火の消えたタバコをくわえたまま、石になっていた・・・・・・・・・・。

その日の午後の仕事は辛かった。

多分、この会社に来ていちばん時が長く感じられた日だった。

どうやらトレンディーが、ボクの退職話を色々な人に喋っていたらしい。

なぜだか、ボクはみんなに無視されていた。

とても、悲しかった・・・・。

そして定時を過ぎ、いつものように残業して、帰り支度を始めていると、

突然トレンディーがやってきて、「やめんなよ!!」と、デカい声で言った。

ボクがその理由を尋ねると、トレンディーはさらにバカデカい声で、

「オレ達チームで頑張って行こうぜ!!!」、

と、ぬかしやがった!!!。

ボクは、完全に失望していた。

 

こんな、つまらないにんげんに。

 

ボクの退職話をバラしたくせに!。

 

ボクの悪口をバラまいたくせに!!。

こいつは中身のないニンゲンダ。

主体性も、社会性もない、汚物ダ。

同じ会社にしがみついてる、かわいそうな汚物ムシ、ダ。

こいつらに、ボクのような「転職」という人生の一本橋を渡って来た

人間の気持ちは、分からない。

奴らには、「転職」という経験がないからだ。

大企業ほど、こういう世間知らずが多い。

だけど、「みんながみんな」、という訳でもないと思うが・・・・・・・。

ボクはとりあえず、イカりを抑えて「そうですね」と、シラっと言ってやった。

仕事が終わり、帰りの車中でボクははっきりと、

「明日、退職しよう」

と、思った。。。

・‥…━━━・‥…━━━・‥…━━━

・。

・・。

・・・。

・・・・。

次の日、チームミーティングが終わった後、さっそく行動を起こした。

事務所に行って、ヒース課長とシモンズ係長を呼んでもらい、会議室に入った。

そこで彼等にはっきりと、「今日辞めます!」、と言った。

彼等はボクがもう辞めることは、分かっていたようだが、

それが今日だとは、思ってもみなかったようだ。

それはそうだ。会社規定で、退職する場合は

「退職する日から、1ヵ月前に所定の用紙にその理由を書き、それを所属の係長に提出」

しなければならないからだ。

だが、ボクはもう、そんなことはどうでもよかった。

はやく辞表を書いて、この場を去りたかった。

そのことを告げると、ヒースとシモンズは渋々了承してくれた。

そして程なくして、ヒースが持ってきた辞表にサインして印鑑を押した。

もちろん、今日の日付で。

裏紙で再利用したコピー用紙の辞表が、とても切なくて、悲しかった・・・。

「辞表」という場所の文字が、インクの不具合なのか古新聞のように擦れていて、

それがなんだか、ボクの人生のように感じた・・・・・・・・・。

それからボクは、逃げるように会社を出た!。

ヒースにもシモンズにも、「今日いち日はいた方がいい」と言われたけど、

ボクは、「仕事が手につかない」、というデタラメな理由をでっち上げて、逃げた!!。

ブサイクなあの娘に、何も言わず逃げた!!!

走った!!!!。

走った!!!!!。

誰にも見つからないように・・・・・・・・・・!。

ようやく駐車場にたどり着くと、9時出社のパートのオバサンに出会った・・・。

オバサンに、「おはようございます」、と挨拶されたので、ボクも挨拶した。

そして僕は、AM 8:56 分

この会社を去った・・・。

ボクはコンビニに車を止め、コーヒーを飲みながら思った。

すべて終わった・・・。

苦悩する毎日から、ついに解放された!!。

次の仕事のことなど、問題は山積みだったが、

今日という日は、もう何も考えたくなかった。。。。。。

。。。いや、。。。

考えられなかったんだ・・・・・・・・・。。。。。。。

ボクは

もう

現実逃ヒ

シテタ

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